台湾・唐奨受賞の本庶氏 「免疫抑制分子の研究深めたい」(CNA)

2015.06.29
  • Tasuku Honjo, 2014 Tang Prize Laureate in Biopharmaceutical Science
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CNA

(台北 29日 中央社)東洋のノーベル賞と位置付けられる「唐奨」で昨年バイオ医薬賞を受賞した京都大学大学院医学研究科の本庶佑氏が29日、台北市内でメディアのインタビューに応じ、唐奨で得た賞金や研究費を基に、新たな人材を確保し、免疫の働きを抑制する生体分子、PD-1の研究を深めたいと語った。

1992年に本庶氏が発見したPD-1は、がん治療に効果があるとされる。「多くの人の役に立った。それだけで個人的には十分報われた」と本庶氏は語る。ただ、末期がん患者への臨床試験では投薬治療で効果があった人が3割いる一方、全く効果がなかった人もおり、さらなる研究で課題を解決したいという。

また、日本の大学予算が削減され、困難な状況におかれているとし、独自の価値観で研究をするためには、自前の財源を持つ必要があると強調。長期的な支援が不可欠だとする考えを示した。

「ノーベル賞に最も近い研究者」とされる本庶氏。ノーベル賞受賞の可能性について問われると「それは本人に聞いても分からない」と笑った。

(齊藤啓介)