台湾「唐奨」受賞の本庶佑氏 「失敗は時間のむだではない」(CNA)

2014.06.20
  • Tang Prize
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CNA

(ロンドン 19日 中央社)東洋のノーベル賞とされる2014年「唐奨」の「バイオ医薬」部門を受賞した京都大学大学院医学研究科の本庶佑教授。免疫抑制分子PD-1の発見から約20年、新たながんの治療法を発表して注目を集める本庶氏が中央社のインタビューに応じた。

医学の道を志したことについて、研究を通じて新しい治療法を見つけ出し、多くの患者を救いたかったからと答える本庶氏。PD-1分子の研究を開始した当初は予想もしていなかった成果が現れ、「夢が実現して嬉しい。非常に満足している」と話す。

一貫して基礎科学研究の分野で活躍するが、米国では学術界と協力した企業が利益の一部を研究機関に還元する仕組みがよくできている一方、日本は理想的な環境に恵まれていないと指摘する。唐奨では受賞者の所属する研究領域への補助金も提供されることから、関係分野のさらなる発展が期待されている。

台湾で科学博士を目指す若者が少なくなっている現状に関しては、10回の実験で1度しか成功しなかったこともあったと振り返り、失敗の中から次の実験につなぐ経験を積み重ねることができるとした上で、ポジティブに継続することが大切だと話す。

本庶氏が30歳から始めたのはゴルフ。ストレスをためないように、1週間に少なくとも1日は仕事の手を休めて没頭する。また、食事も健康に気をつかい、“腹八分目”を心がけているという。台湾には数回訪問したことがあり、食べ物がおいしいと話している。